ネガティブ感情を解放していくとどうなるか（１）

更新日：2023年10月20日

ネガティブ感情とは

ネガティブ感情とは、「恐怖」「不安」「怒り」「悲しみ」「絶望感」などです。心に不快感が生じる感情は全てネガティブ感情です。

みなさんの心の中にも、このような感情がたくさんあるはずです。

これらの不快感で脳は「ストレス」を感じ反応しています。ですからストレスがない人はほとんどいないのです。

そして知らず知らずに、この脳での反応を続けてしまうと、体もしくは心のどちらかが病んでしまうことになります。

ですから多くの人は、この感情を感じないように気分を変えて意識を逸らせてみたり、考えないように蓋をしてみたりして、なんとか逃れようとします。

このような対処法は、一時的にはいいかもしれません。しかし問題が解決しているわけでもなく、感情がなくなることもないので、何かのタイミングでまた浮上して苦しむことになります。

別の対処方法としては、その感情を生じさせる出来事をなんとか努力して解決しようと頑張ることをします。

例えば、健康に不安を感じていたり、何かの病気で悩んでいる場合、どうにかして治そうとして、いろんな運動をしてみたり、食べ物や健康食品をあれこれ試してみたりするようなことが、これに該当します。

結局、外側の出来事が解決しないと、つまり何かを手に入れないとその不安や恐怖から逃れることができないと思っているのです。

この考え方は、ある意味仕方がないことです。病気になったから健康を手に入れれば恐怖はなくなりますし、お金がないことで心配という人は、お金があれば安心するでしょう。

恋人がいなくて寂しい人は、恋人ができれば寂しさも消える事でしょうし、人間関係のトラブルで悩んでいる人は、相手がいなくなれば、または相手が折れて歩み寄ってくれれば安心するでしょう。

しかし、このような考え方では、何かを手に入れないと幸せになれないということになります。

実際はそんなことは決してないのです。

病気なままでも、お金がない状態でも、恋人がいなくても、不安も心配も寂しさも感じず、幸せなになれるのです。これが感情の解放です。

感情の解放とは、ある出来事や考え方に付随する感情をしっかりと受け入れ、そして執着を手放し、その出来事や考え方に直面しても不快感を感じなくなる、ということです。

例えば、ヘビを見て怖いと感じている人が、ヘビを見ても怖くなくなるということです。怖かったことも覚えていますし、好きになるわけでもありませんが、とりあえず見ても平気になります。

まるで催眠術のようです。

感情を手放すのはヘビに対してだけで、「怖い」という感情そのものが消えてしまうわけではありません。

まず今感じている不快感を消し去ることができます。感じ方がどんどん減っていくことで、心の不快はそれに応じて減っていきます。

心は軽くなり、前向きな気持ちに変化していくでしょう。さっきまですごく嫌な思いをしていたのは一体なんだったのだろう？と思うくらい、気分が変わっていきます。

人の心は、ポジティブかネガティブかどちからしか感じることができません。ですから、ネガティブな感情が消えていくと、次第にポジティブに心が偏っていくしかないのです。

空を覆う厚い雲がなくなれば、きれいな青空が見えてくるかのように、心を覆っていたネガティブな感情と不快感がなくなって、いつのまにか心に軽やかさが生じていることに気付くと思います。

ですから、常にネガティブに考えてしまう人にとっては、その都度生じてくる感情を手放していく事で、ネガティブな思考からも解放されていくでしょう。

ネガティブな思考を自らコントロールできるということは、ネガティブのループに陥ることもふせぐことができます。

ネガティブな時は正しい判断ができないことが多く、そこから脱することで冷静な判断と対処ができるようになります。

このように素晴らしい恩恵を得ることができるのです。

しかしここで、もしかしたらあなたはこう思うかもしれません。

「不快な気分がなくなっていくのはわかったけど、問題は解決していないから結局同じではないのか？望みが叶っていない状況は同じではないか？」

確かにあなたの心の中、メンタルの状態は変わっていきますが、外側の状況は変わっていません。

しかし、実はそうではないのです。実に面白い現象が起こってきます。