身体的な問題、精神的な問題を抱えている人の多くに、原始反射の残存があることは、実はまだそれほど知られていません。直接的な原因ではありませんが、大きく関与し原因の一つということは言えると思います。

なぜなら、今まで私たちが行ったワークショップや個人セッションで原始反射を統合することで、生きづらさを解消できた人が数多くいるからです。

不安になりやすい、心配症、緊張しやすい、力みやすい、などメンタルに辛さを感じやすい人や、強い光や大きな音が苦手、においに敏感、など五感が過敏で辛いという人など、様々な人たちがワークショップや個人セッションで回復していきました。

また、うつ病などの精神疾患、発達障がい（自閉症スペクトラム、ADHDなど）、HSP（繊細気質）などの状態の人には原始反射の残存がみられます。
 

原始反射の根源はストレス（トラウマ）であると考えています。記憶にあるトラウマから記憶にはないトラウマ（胎児、出産時、乳児期のトラウマ）の全てが脳の神経の繋がりを弱めてしまうのではないかと推測しています。

脳はストレスがかかると右脳と左脳の連携が遮断されたり、大きく脳波が乱れるということが研究の結果分かっています。そのような状態が発達しきっていない脳に起こったらどうなるのか？おそらく正常な状態で神経が繋がっていかないのではないかと思うのです。

ですから、弱い構造であったり、機能的に不完全な状態が「障害」といわれるような形で現れてくるのでしょう。

原始反射の統合プログラムは脳の統合、つまり連携を強め強化し活性化正常化していくことに大きく貢献します。

すべての障害を治すメソッドではありませんが、症状を軽くしたり、生きやすく感じてきたりすることに大きな助けとなることは間違いありません。

しかし、原始反射は何もしないでいるとずっと残り続けます。残したままでいると、何かの大きなストレスが加わった際に、精神や身体が大きく乱れてしまい、体調を崩してしまうことを生涯に渡り繰り返してしまうことになります。

今の医療の現状は、症状に対する対症療法がメインであり、心療内科でも話を聞いて薬が処方されるだけで、根本からの治療ではありません。一時的に症状を抑えることは必要ではありますが、これだけではいけないことは言うまでもありません。

原始反射統合のプログラムは、脳の統合（活性化）と自律神経の調整が含まれています。反射そのものを抑制するというよりも、体全体のバランスを整えるプログラムとお考えいただく方が近いと思います。ですから体の不調がある様々な人にも応用可能なのです。

実際に腰痛や神経痛、など整形外科的なものや頭痛など内科的なものが、なかなか治らない人も自律神経の働きが乱れています。そういう人はストレスもあり、検査をしてみると原始反射が浮上している例が多いです。

​原始反射の統合はこのように様々な方々の改善に貢献できるのです。